
2021.11.14
高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの
新潟展 は閉幕しました。
多くの皆様からご来館いただき、
ありがとうございました。
絵を描かない監督が
どのようにして
歴史に残るアニメーションをつくったのか。
他のクリエイターたちとの交流や
共同制作の過程を通して明らかにします。
初の長編演出(監督)となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年)で、悪魔と闘う人々の団結という困難な主題に挑戦した高畑は、その後つぎつぎにアニメーションにおける新しい表現を開拓していきました。70年代には、「アルプスの少女ハイジ」(1974年)、「赤毛のアン」(1979年)などのTV名作シリーズで、日常生活を丹念に描き出す手法を通して、冒険ファンタジーとは異なる豊かな人間ドラマの形を完成させます。
80年代に入ると舞台を日本に移して、「じゃりン子チエ」(1981年)、「セロ弾きのゴーシュ」(1982年)、「火垂るの墓」(1988年)など、日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現するとともに、日本人の戦中・戦後の歴史を再考するようなスケールの大きな作品を制作。遺作となった「かぐや姫の物語」(2013年)ではデジタル技術を駆使して手描きの線を生かした水彩画風の描法に挑み、従来のセル様式とは一線を画した表現上の革新を達成しました。
このように常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を徹底して追求した革新者・高畑の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、他の制作者にも大きな影響を与えました。本展覧会では、絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫ります。
[新幹線・在来線]JR長岡駅大手口下車 [バス]長岡駅大手口8番線:中央環状線「くるりん」内回り「県立近代美術館」下車(乗車約15分)すぐ/長岡駅大手口2番線:センタープラザ・日赤病院方面行「日赤病院前」下車(乗車約15分)から徒歩5分
[車]関越自動車道:長岡I.Cから約10分/北陸自動車道:長岡北S.I.Cから約10分
公共交通機関によるアクセスは こちら からご確認ください。
〒940-2083 長岡市千秋3丁目278-14
TEL.0258-28-4111 FAX.0258-28-4115
https://kinbi.pref.niigata.lg.jp/
※ご来館の際はできる限り公共の交通機関をご利用ください